眼下に広がる光景に、思わず息を呑むのではないでしょうか。パラオの絶景を理解するにはセスナに乗り込むのが一番です。
セスナ機の高度が上がるにつれて、青と緑、白が入り混じる「絶妙なグラデーションが浮かび上がっていきます。太陽の光を受けると、海はサファイアとエメラルドを溶かしたかのように美しく輝き出し、空から眺めると、海のなかに大小の黒い点が見えるはずです。パラオのシンボルとも言える、世界遺産エリア島「セブンティ・アイランド」をはじめ、視界の果てまで連なる島々。スピードボートの白い波が、その間を縫うように走っています。586もの島々によって構成される、ミクロネシア有数の諸島群・パラオ共和国。
美しい珊瑚礁の海と多彩な魚類の生息地として「スキューバダイバーを中心に世界的に知られています。貴重な生態系と景勝から「2012年には諾島のうち「ロック・アイランド」などが世界自然遺産に登録されました。厳密にいうと、パラオとは北端の「カヤンゲル島」から南の「アンガウル島」まで、南北約640キロに渡って広がる600近い島々を指すのですが、一般的には人が生活している10島を指すことが多いです。
最大の島「バベルダオブ島」を筆頭に、商業の中心「コロール島」、ホテルが点在する「アラカベサン島」、主要港のある「マラカル島」、第二次世界大戦の激戦地、「ぺリリュー島」など。それ以外は無人島です。
島の多くが珊瑚礁による石灰岩でできているため「高温多湿の気候や雨風による浸食が早く、海面降下や地盤隆起の影響を受けやすいと言われています。その結果、現在のような複雜な形状の人り江や、小さな島々が密集して点在する特異な景観が生まれました。
なかでも、コロール島からぺリリュー島にいたる南北約30の環礁に点在する島々は、ロック・アイランドと呼ばれる変化に富んだ景勝で、アイランドホッピングのメッカとしてにぎわいます。
年齢を問わず楽しめる各種マリンスポーツをはじめ、巨大魚のトローリング、無人島でのキャンプの旅など、上級者向けの冒険プランもあります。ロック・アイランドには上陸できる無人島が多数あり、海でも陸でもアクティビティは多種多様。見どころも多岐にわたるため、観光客は半日またはー日のツアーで効率的に遊ぶことができます。スピードボートと呼ばれるチャータ船に乗って手軽に移動することができますよ。ロックアイランドの見どころを回るアイランド・ホッピングは、パラオの多彩な楽しみ方を教えてくれますよ。ハネムーンでもぜひ・
パラオの街歩きの中心となるのはコロール島。
空港のあるバベルダオブ島から南へ橋を渡り、リゾートホテルが集中するアラ力べサン島、マラカル島へとつながるメインストリートを10分ほど走ると、パラオ唯ーの繁華街コロールへといたります。1時間もあれば散策できる東西1キロにも満たないこの工リアに、ショッピングセンターやレストランが集中しています。首都はマルキョク州に移ったのですが、官公庁はいまもこのエリアに残っており、1日を通じて人の往来は活発です。メインストリートとはいえ高層ビルもなく、小さな周落が集まった都会と呼ぶにはほど遠いのどかな雰囲気が広がります。ホテルやレストラン以外は、ショッピングセンターにもブランドショップなどは入っておらずリゾート感の薄い品ぞろえ。街を散策していても、野生のハナナを売る露店や軒下で井戸端会議にいそしむ地元民の姿など、生活感あふれる街の様子をかいま見ることができます。
一方、内陸の見どころが集まっているのが、バべルダオブ島。
首都のマルキョク州を擁する南北約43キロ、東西約16キロの細長い形をしたパラオ最大の島。「ガラツマオの滝」や、ワニのいるリバークルーズが楽しめるジャングルなどのほか、旧日本軍の遺物も点在し、歴史を感じさせるポイントも多いところです。コロールから車で約2時間、島の北端にある「ストーンモノリス」は、パラオ最大のミステリーといわれる謎の遺跡群。2000年以上前に埋め込まれた真っ黒な石灰山石の1枚岩が50基以上建ち並んだ光景はまさに奇景。誰が、なんの目的で造ったのか、いまだ解明されていないスポットです。言い伝えによれば、神の命令により精霊たちが建てた「アバイ(集会所)」の痕跡とされているようですが、定かではないのです。しかし、美しい海を見下ろ高台で、静かに潮風を感じながら遺跡のなかに身を置くと、リゾートとはまた違ったパラオの姿がそこにあるように感じられるのではないでしょうか。少し足を延ばしてみれば出合うことのできる、パラオの素の顔。そこには人気のリゾートではなかなか味わえない、ミクロネシアののどかな時間と生活があるのです。
昼前までは、強い陽光で海中が明るくなり、水の濁りも少なく、透明度が高いです。美しいパラオの海をもっとも身近に感じられる、シュノーケリングにべストな時間帯といえるでしょう。世界中のダイバー憧れの絶景ポイントが点在するパラオ。その海の神秘を味わいたいなら、スキューバダイビングがー番の近道ですが、初心者にはなかなかハードルが高いでしょう。しかし、シュノーケリングなら、老若男女を問わず神秘の海のー端をかいま見ることができますよ。特に人気を集めるポイントが「パラダイスコーナー」。珊瑚礁が豊富で魚影が濃い場所です。スズメダイ、クマノミ、ユメウメイロなど、色鮮やかな小魚がすぐ目の前で群れをなして泳いでいます。パラオ周辺には約1400種類もの魚類が生息しています。ミクロネシアの平均500種類、グアム・サイパンの800種類と比べると、圧倒的でしょう。これもダイバーの楽園と呼ばれるゆえんであるでしょう。珊瑚礁の周囲でプカプカ浮いていると、5mほどの深さにナポレオンフイッシュが悠然と姿を現し、水族館でしか見たことのないような魚が事もなげに現れてくるのです。運が良ければ、大きなウミガメが出現することもあるといいいますよ。
パラオの海と戯れたあとは、ホテルに戻って日常を忘れてゆったりと過ごしたいところ。
極上のリラックスで心と身体をほぐすこともまた、大人のリゾートの楽しみ方ですよね。
数あるホテルのなかでも、正統派のリゾートなら「パラオ・パシフイック・リゾート(通称PPR)」の名がー番に上がるでしょう。創業は1984年。ダウンタウンから車でおよそ20分。コロール島の北西、アラ力ベサン島の25ha(東京ドーム約5個分)という広大な敷地に建つホテルです。パラオ随ーの歴史を誇り、水上コテージ、広いプライベートビーチ、サンセットプールなど、世界トップクラスの設備を誇り、海外の要人やハリウッドスターも訪れています。眼前に広がる真っ白なビーチからは、人工建築物がほとんど視界に入らず、外界と隔絶した、まさに陸の孤島のようなロケーションなんですよ。先般、伝統建築を取り入れた水上コテージ5棟が完成。広めにスペースを採った客室面積は約90㎡。ラグーンに直接下りることができる開放的なテラスも擁しており、夕陽が美しいプールや豪華なスパのほか、敷地内のドックにスピードボートも発着するなど、離島で遊ぶ際にもわざわざ敷地外へ出る必要がなく、ホテルの中ですべてが完結するリゾートです。
アクティブに遊びつつ、リゾート気分も楽しみたいという賛沢な要望に応えてくれるのは、「パラオ・ロイヤル・リゾート」。ダウンタウンから車で約5分の立地で、街歩きや内陸の観光にも好アクセス。日系のホテルチェーンなので、海外旅行に不慣れな方でも安心だと思います。客室数は158。 すべての客室が42㎡以上とゆったり過ごすことができます。人気のスパは海に面したプライベートな個室で、開放感たっぷり。 リニューアルを進めているインテリアは、北欧系のウォームかつモダンな印象。女性同士やファミリーのゲストが多く、肩肘を張らないカジュアルなステイが楽しめます。
またジャングルに囲まれた「パラオ・プランテーション・リゾート」のような個性的なネイチャーリゾートもあります。 マホガニーなどの木をふんだんに用いた客室は、さながら古民家のような落ち着きを与えてくれ、ロングステイがおすすめですよ。
あれこれ考えながらホテルを選ぶ作業も、旅の楽しみの1つ。
ゆとりの時間を味わうリゾート特化型、ファミリータイプのアクティビティの拠点、ローカルな雰聞気を楽しめるネイチャー系。
パラオのリゾートホテルの選択肢は多種多様。
アイランドホッピングと同様、ホテルもTPOや目的に合わせてリゾートを選んでみてください。
海で感じるパラオと、陸で感じるパラオ。楽園のハイダウェイが呼んでいますよ。